2012年のYZ250Fのドレンボルトが途中で折れちゃったって状態でした。
残念ながら、ドリルや逆タップでの作業するスペースもないので、エンジンを車体から下ろしての作業となりました。
ライダーからの話しによると緩めたら途中から折れてて残骸が残ってしまってた
との事 前回のオイル交換の時はネジ山が舐めたりしていた感じは無かった。
問診は大事です。
幸か不幸か社外のマグネット入りのアルミボルトだったんで、センターに穴を開けての逆タップは無理だとイメージして、他の案を考えながらエンジンを下してました。
次に考えてたのが、恐らくそのマグネットは圧入なんだろうから、ストレートポンチでケース内に打ち抜いてしまえば、そこに逆タップを立てれば抜けちゃうんじゃね?
と、考えながらラジエーターを外してました。(笑)
しかし、打ち抜いたマグネットがミッションあたりにくっ付いてしまうと、そのマグネットを取るために結局ケースを割らなきゃならない事になるのでこれまた時間と工賃が…
推定残骸が10mmだとしても6mm位打ち込めば逆タップが噛むんだがなぁ〜
この作業もイマイチ
と、考えながらエンジンを車体から下ろしてじっくりと考える
そもそものネジ山がナメてたとしたら、ヘリサートか12mmのドレンボルトにタップの切り直し(元は10mm)しかないなぁと
しかし、折れた頭の部分を見てもネジ山がナメたりしてる形跡は無く、単に締めすぎによるチギレで折れてました様ですね。
話はそれますが、この手の(マグネット入り)ドレンボルトはボルトのセンターに穴を開けて丸棒状のマグネットを圧入してる構造なんですよね。10mmのボルトに対して6mmの丸棒マグネットが圧入されてました
10mmのボルトとはネジ山の「V」の谷の部分は実寸で9.2mmしかないので、ボルトの肉厚は(9.2-6.0)÷2=1.6
1.6mmしかないのです。
ドレンボルトの規定トルクは2.0Nm
普通に規定トルクで締めたら、いずれこの様に折れますね。
折れた位置も一番弱い所ですね。
話を戻します
で、ご挨拶程度にコンコンと残骸をノックしてみると、カタカタと動いたので、太めのストレートポンチを残骸目掛けてマグネットオン
ストレートポンチを10回転すると何となく1回転してる感じに緩んできてるんで後は「念」を込めて
えっと、ドレンボルトとか、現地で折れただのナメただのになっちゃまずいところは是非、純正をお使いください。
ホームセンターネジはまず
見た目がダサいので使わないでください。バイクのほとんどのボルトはフランジだったり、ワッシャー付きだったりとそのボルトに意味があるんです。
頻繁に脱着するような箇所は必ずワッシャー付き(ワッシャーが取れないタイプ)になってます。
意味があるんです。
ちなみにYZの場合は
シート、サイドゼッケン、サイレンサーまで外すのには10mmのTレンチ1本で外せます。
さらに、サブフレームを外すのには10mmのTレンチと4mmのヘキサゴンレンチだけで外せます。
この状態からタンク、シュラウドを外すのには8mmのTレンチだけで外せます。
上モノを外すのに
8mm、10mmのTレンチだけで外せるんです
YAMAHAは考えてるんです
純正ボルトにこだわってくださいね。